これまでに、建設費のカラクリについて、長々と書いてきましたが ここで一つ設計事務所について補足させていただきます。
ゼネコン選定について、 設計事務所にもバックが入っている可能性について、 述べてきましたが、勿論全ての設計事務所がそのようにしている訳ではありません。
本心まで聞き出せたわけじゃないですが、 設計事務所の7割以上はバックとかそういうの嫌いという方かもしれません。 建築主とゼネコンどちらを向いて仕事をしているかというのは深く考えずに、 単に付き合い長い方が、情が沸いてるし楽だ、 一緒に仕事がしたいってだけの場合もあります。 (不動産業者でもある私が言うのもなんですが、ただで紹介するような不動産会社に出会った事がありませんので、不動産業者の紹介は安くても99%バックは流れてると思います。(笑))
単純にバックを貰おうとする設計事務所との考え方の違いで、 「建設費が安くなれば建築主の為になる。」 「予算が浮けば自分の作りたい、かっこいいものがもっと出来る」 と思っている設計事務所の方々も大勢いらっしゃいますし、 そういう設計事務所の方々とパートナーシップを組み 建築主様をご紹介頂くことも多いです。
ただ基本的に設計事務所でコストについて専門工事会社の見積まで取って ゴリゴリやる設計事務所は皆無に近いと言い切れます。
そもそも設計監理料の中に、そこまでの経費は含まれておりませんし、 ゼネコンの専門工事会社をいじる事は、日本の建設業でタブーとされてきたので それ程踏み込んで交渉しようという考えはありませんでした。
仮に、そこまで踏み込んで交渉しようと思っても、 彼らは確認申請を通した後には施工の監理(工事の監視)という重要な任務があるので、 自分の紹介した専門工事会社の仕事の出来が悪かったらゼネコンに文句が、 言いずらいという足枷があって設計監理料内ではそこまでの責任を負えないというのが 正直なところでしょうか?
よって、専門工事会社について見積ルートも持ち合わせて来なかったというのが実態です
その為、設計事務所の工事費の調整とは、 何社かゼネコンの相見積を取っても予算が合わなかったら 相場より自分の設計が高すぎたんだ? と色々と仕様を落とす。 これが、これまでの常等手段でした。
ここで第三者のCM会社の登場するとどうなるでしょうか?
まず仕様を落とさずにゼネコン・専門工事会社と徹底的に交渉します。 (下世話な話、コストダウン額からFEEを頂いているので当然と言えば当然ですが・・・) 平行して、見積に参加した専門工事会社の得意な仕入れルートのメーカーなどを使って 設計図と同等のものでコストダウン出来ないか検討し、設計事務所・建築主双方に提案します。 それでも予算と会わなかったら初めて仕様を落とす提案をします。
そして工事中はCM会社は自らが選定した専門工事会社やゼネコン両方に対して、 ギャンギャン言います(特に工期について)。
何故か?
そもそもCM会社はゼネコンの現場出身者が多く、 ゼネコン時代に自社の選んだ専門工事会社に問題あるときは、 ギャンギャン言って、ものづくりをしてきた人種なので、工事を進める為に、 工事会社に物を申す事に全く抵抗がありませんし、あらゆる手段を行使します。
そして、もともと専門工事会社とゼネコンの見積条件・マッチングする時に、 何度も何度も、専門工事会社を入替えることによって初めて受注できる仕組みであることを 念を押しているので、 ゼネコンの現場担当者は会社命令で施工管理を任されている状態です。 なのでCM方式だから施工管理がやりずらいという泣き言は ゼネコンは言えない条件になってしまっているのです。
私も所長の2現場も含め、1万人以上の職人さんと仕事をしてきましたが、 同じ職人さんと他の現場で出会ったのなんて30人も居ませんから、 新規の専門工事会社・職人さんとだと仕事がやりずらいなんて思ったことないですし、 以前にも書きましたが、いつもの業者・職人さんと内輪で仲良く作りましょうなんて、 そんな甘い世界で生き抜いて来たわけではありません。
1部上場ゼネコンであっても現場に来る職人さんは、 本隊・孫請・ひ孫請など応援と入り乱れて、正に一期一会の職人さんが大半なのが普通だという 実態を一般の建築主様にもまずは知って頂けたらと思います。
そして、建築主の方を100%向くCM会社(CM信者)としても 「安いから、悪いと絶対に言われたくない。」 というプライドもあります。
もし普通の紹介による相見積で、ゼネコンが怠慢な行動を取っても建築主は、 設計事務所には相談できますが、そこから先は設計事務所の監理に委ねるしかありません。 その怠慢の原因が、仮に専門工事会社であったとしても、 設計事務所はゼネコンより専門工事会社の連絡先も知りませんし、直接、 専門工事会社に交渉することなどできません。
CM方式の場合はゼネコンと専門工事会社両方に設計事務所以外のルートから、 専門工事会社まで直接話が出来るルートが出来る訳です。 そして温厚な方が多い設計事務所より、厳しい物言いでCM会社は交渉できます。 工事を進めるためには、例え仲の良い専門工事会社であっても甘いことはいいません。 専門工事会社もその工種のプロですから、至らぬ所があれば指摘されるのが 当然のこととして受け入れます。
蛇足ですが、一般には下請といわれる専門工事会社の方が、 どんな設計事務所よりどんな現場所長より、 誰よりもその工種については詳しいですし、良く知っています。 何十年もの間、365日その工種のプロとして生活しているのだから当然と言えば当然ですが、 ゼネコンや設計事務所がその道のプロの専門工事会社にコストダウンの手法や納まりを提案させ 採否を決めるというのは良くあることです。 (専門の工事会社だから専門工事会社というのです。)
だからといって設計事務所を否定しているわけではなく根本的に、 設計事務所とCM会社は分野が違います。 例えて言えば、設計事務所はピアニスト、CM会社は調律師、 はたまた、ゼネコンはピアノメーカー、専門工事会社はピアノの部品メーカーと言ったところでしょうか。 設計事務所(アーティスト)が最高の演奏をする為に、 CM会社は裏方で工事費を調整しているような感じですかね。
戻りまして・・・
普通の相見積でも、CM方式も品質に関して全く上下関係はありません。 躯体については当然、全く同じ品質のものが出来ますし、 仕上がり具合についても普通の相見積でも最初の検査では 幾つか悪い所もあるでしょうし、 CM方式でも幾つか悪いところがあるでしょう。
仕上げについては人の手でやることですから、 1回目の検査で至らぬところがあれば2回目の検査までに直してもらう。 2回目で直ってなければ3回目の検査までに直してもらう。。。。
これは、普通の相見積であってもCM方式であってもなんら変わりない流れで 引渡しまで向かっていくのです。 (紐付きでも一緒です。)
もちろんCM会社だって人間のやることですから 仲の良い工事会社の担当者はいますので、 私情を挟みたくなる誘惑に駆られることは全く無いという訳ではありませんが、 見積に参加して頂いた他の工事会社様に失礼の無いように、 数字と施工履歴によって平等に受注者を選定していきます。
偶然でも、この記事を読んでCM方式について興味が沸きましたら、 これまでの日記も是非読んで頂いて 建設費のカラクリの裏の裏まで知る切欠になって頂けたら嬉しいです。
そして適正な建設費を導く事により多くの建物が建設され、 建設業が少しでも活性化されて行く事を願います。


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テーマ:不動産投資 - ジャンル:株式・投資・マネー
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